雨に恋した華
「じゃあ、付き合う?」


虹希さんは、真剣な表情で訊いた。


さっきの話の流れからは予想も出来なかった展開に、あたしは戸惑いを隠せない。


「紫ちゃんが本気でそう思ってるなら、俺と付き合う?」


虹希さんは黙ったままのあたしにもう一度そう訊いた後、少しだけ暗い表情を見せた。


「ただ……俺は紫ちゃんに言えない事もあるから、傷付くかもしれないよ……」


言えない事……?


虹希さんの言葉が、すごく引っ掛かった。


だけど…


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