雨に恋した華
虹ちゃんが運転する車の中で、他愛のない話をした。


付き合い出してから初めてのデートだから少しだけ緊張していたけど、すごく楽しい。


「どこ行きたい?」


「う〜ん……。虹ちゃんは?」


「俺の事はイイの!『初デートだから、紫の好きなとこに連れて行ってやる』って言ったじゃん」


「だって、虹ちゃんとだったらどこでもイイもん♪」


「ふ〜ん……」


あたしが笑顔で答えると、虹ちゃんは素っ気無く声を零した後、悪戯っ子みたいにニヤリと笑った。


< 272 / 461 >

この作品をシェア

pagetop