雨に恋した華
小1時間くらい車を走らせた後、虹ちゃんはアウトレットモールの駐車場に車を停めて、あたしに降りるように言った。


「腹減ったな。とりあえず、何か食う?」


「うん♪」


満面の笑みで頷くと、虹ちゃんはあたしの手を引いて歩き出した。


あたしよりも骨張った大きな手に、すごくドキドキする。


お腹は空いていたけど、胸がいっぱいで何も食べられないような気がした。


「嫌いな物はある?」


そう訊いた虹ちゃんに、笑顔を向けて首を横に振った。


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