雨に恋した華
「美味しい?」


すごくドキドキしていたから、味なんてわからなかったけど…


「うん、美味しい……」


あたしは満面に笑みを浮かべて、小さく頷いた。


「そっちも一口ちょうだい」


「えっ!?」


驚いたあたしが視線を泳がせていると、虹ちゃんが楽しそうに笑った。


「早くしないと冷めるだろ?」


「あっ、はい!」


「何で敬語なんだよ?」


虹ちゃんはクスクスと笑いながらからかうように言って、またあたしを促した。


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