雨に恋した華
熱を帯びた頬が、さっきからあたしの心を騒がせる。


「可愛いな」


不意にそう言った虹ちゃんの笑顔があまりにも眩しくて、目眩を覚えた。


恥ずかしさに戸惑っていても、彼の言葉が嬉しくて喜びを隠せない。


だけど…


「可愛くないもん……」


こんな時どう反応すればいいのかわからなくて、素直になれない自分(アタシ)が伏し目がちに呟いた。


「可愛いよ」


可愛くない言葉を零したあたしを見ても、虹ちゃんは楽しそうに笑っていた。


< 280 / 461 >

この作品をシェア

pagetop