雨に恋した華
レストランを出た後、虹ちゃんがこの間の質問に答えてくれた。


「一人でカフェにいる女子高生なんて、珍しいだろ?だから時々、紫の事を見てたんだ。そしたら、ジュースと紅茶しか飲んでない事に気付いた」


彼はそこまで言ってから、表情を崩すようにフッと笑った。


「あそこのカフェ、コーヒーが美味しいって有名なんだ」


「えっ?」


「だから、ほとんどの人はコーヒーが目当てなんだけど……。紫はコーヒーを飲んでなかったみたいだから、飲めないんだなって思ったんだよ」


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