雨に恋した華
「虹ちゃん!あれ、可愛い♪」


「どれ?」


あたしは、店内のマネキンが着ていた水着を指差した。


「着てみたら?」


虹ちゃんは言い終わるよりも早く、あたしの手を引いて店内に入った。


「う〜ん、どうしよ……」


着てみたい気持ちはあるけど、あたしのお小遣で安易に買える物でも無い。


始まったばかりの夏休みの事を考えると、ここで無駄遣いをしたくなかった。


「やっぱりイイ……」


少しだけ悩んだ後、首を横に振った。


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