雨に恋した華
水着姿を見られた事は、すごく恥ずかしかったけど…


それ以上に『似合う』って言って貰えた事が嬉しくて、頬が一気に緩んでいくのがわかった。


あたしは着替えた後、口元が緩みそうになるのを堪えながら平静を装って、試着室を出た。


「貸して」


試着室の前にいた虹ちゃんが、水着を持ってあたしの手を引きながらレジに向かった。


「えっ!?ちょっと、虹ちゃん!あたし、買わないよ!」


彼は目を見開いたあたしを無視して、レジにいた店員に水着を渡した。


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