雨に恋した華
「俺が買うからイイの。付き合った記念に、紫にプレゼントする」


「えっ!?貰えないよ!」


首を横に振ったあたしの言葉も聞かずに、虹ちゃんはさっさと会計を済ませてしまった。


「虹ちゃん!本当に貰えないってば!」


店を出てすぐに言うと、彼が笑顔で口を開いた。


「次のデートで着てよ」


「え?」


「来週、海に行こう」


「でも……」


「遠慮するなって」


虹ちゃんは笑みを浮かべたまま、水着が入った袋を差し出した。


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