雨に恋した華
躊躇していると、虹ちゃんが困ったように微笑んだ。


「俺が着る訳にはいかないんだし、素直に貰ってよ」


その言葉が可笑しくて、思わずクスッと笑ってしまった。


「じゃあ……」


笑顔を見せて怖ず怖ずと受け取ると、虹ちゃんは嬉しそうに笑った。


「ありがとう、虹ちゃん!」


「来週、絶対にそれ着ろよ?」


「うん!」


ニッと笑った虹ちゃんに、満面の笑みを返して大きく頷く。


「俺、今日もバイトだし、そろそろ帰るか」


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