雨に恋した華
午前中は、ずっと海の中で過ごした。


虹ちゃんは、浮輪に入っているあたしを引っ張って沖に連れて行ってくれたり、シュノーケルを使って海の中を見せてくれた。


それから、彼は泳ぐのが苦手なあたしから何度も浮輪を奪(ト)る振りをしては、楽しそうに笑っていた。


「虹ちゃん!本当にやめてってば!ここ、足付かないんだよ!?」


泣きそうな表情で訴えるあたしを見て、虹ちゃんが何度もケラケラと笑う。


そんな彼の笑顔を見ていると、やっぱり本気で怒る事は出来なかった。


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