雨に恋した華
昼食は、海の家で食べた。


焼きそばもフランクフルトも、虹ちゃんと食べるとどんな高級料理よりも美味しく感じる。


「虹ちゃん、アイスキャンディーもあるんだって♪」


「食べる?」


「うん!ソーダ味がイイな♪」


あたしは笑顔で言って、虹ちゃんの手に自分の手を絡めた。


自分から手を繋ぐのは初めてだったから、内心ではすごく緊張していたけど…


夏の陽射しと開放的な海があたしの背中を押してくれた気がして、小さな一歩を踏み出せたんだ。


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