雨に恋した華
虹ちゃんとママが電話で話している間、あたしはずっとドキドキしながら彼を見つめていた。


ママが虹ちゃんに何を言っているのかわからないから、心配だったけど…


それ以上に、彼にママと話すのが面倒だと思われていないか、すごく不安で仕方が無かった。


虹ちゃんは最初は真面目な表情で話していたけど、次第に穏やかな表情になっていった。


程なくすると、最終的にいつもの笑顔になった彼が、携帯を耳から離してあたしに差し出した。


「紫に代わって欲しいってさ」


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