雨に恋した華
「さっきもダメって言っただろ?」


虹ちゃんは眉をしかめながら、あたしの頬から手を離した。


「でも、せっかく一緒にいるんだよ?宿題なんて、家でも出来るもん……」


頬を膨らませたあたしは、問題集を閉じた。


「こらこら……。今までちゃんとやってなかった紫が悪いんだろ?俺と付き合ったせいで、他の事を疎(オロソ)かにするような事はして欲しくないんだよ……。わかった?」


虹ちゃんは困ったような笑みを浮かべながら話して、あたしが閉じた問題集を開いた。


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