雨に恋した華
結局、虹ちゃんに優しく諭されて、数学の問題集を必死に熟した。


大人な彼にあたしが反論したって、どうせ勝てる訳が無いんだから…。


何度も問題と格闘して、やっとの思いで問題集を終わらせる事が出来た頃には、17時を過ぎていた。


「やっと終わったぁ……」


あたしはローテーブルに突っ伏して、ため息をついた。


「よく頑張ったな」


「もう嫌……。勉強なんて嫌いだよ……」


半泣きで呟いたあたしの頭を、虹ちゃんが優しく撫でてくれた。


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