雨に恋した華
「どっか行く?」


そう訊いた虹ちゃんに、首を小さく横に振った。


「ここがイイ……。虹ちゃんとゆっくりしたい……」


「そっか。じゃあ、おいで」


虹ちゃんはあたしの体を引っ張ると、彼の膝の上に乗せた。


「虹ちゃんっ……!ダメだよっ!!あたし、重いもんっ!!」


慌てたあたしは、虹ちゃんの膝の上から逃げようとしたけど…


「ダメ。大人しくここにいなさい」


彼は悪戯な笑みで言いながら、あたしの体をガッチリと抱き締めた。


< 321 / 461 >

この作品をシェア

pagetop