雨に恋した華
横向きに抱き締められていたあたしは、全身を包む恥ずかしさを隠すように虹ちゃんの肩に顔を埋(ウズ)めた。


ただ抱き締められる時よりもずっとドキドキして、胸の奥が苦しい。


だけど、すごく幸せな気持ちになっていた。


「虹ちゃん……」


「ん?」


虹ちゃんの肩に顔を埋めたまま、ゆっくりと口を開く。


「あのね……あたしね、外に遊びに行くよりも、ここで過ごす方が好きなの……」


「何で?」


虹ちゃんは、あたしの頭を撫でながら訊いた。


< 322 / 461 >

この作品をシェア

pagetop