雨に恋した華
「お前、本当に可愛いな」


どこか困ったように笑った虹ちゃんが、あたしを抱き締めている腕に力を込めた。


「虹ちゃん!苦しいよっ!!」


あたしはそんな風に言いながらも、彼の腕の中で喜びを感じていた。


「紫」


「なぁに?」


虹ちゃんに呼ばれて、訊きながら顔を上げる。


その瞬間、彼はあたしの唇にチュッとキスをした。


「虹ちゃん、もう一回……」


あたしがおねだりをすると、虹ちゃんは優しく笑ってまたキスをしてくれた。


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