雨に恋した華
虹ちゃんの笑顔と甘い言葉に、胸の奥がキュンと鳴いた。


「あ、ありがと……」


「紫、照れ過ぎ。顔、真っ赤じゃん!」


俯きがちに小さく言うと、虹ちゃんが悪戯な笑みを浮かべた。


からかわれているのに、悔しい気持ちよりも嬉しい気持ちの方がずっと大きいのは、意地悪な彼も好きだから…。


だけど…


久しぶりに会うせいか、いつもよりもドキドキしてしまう。


「紫のクラス、どこ?」


落ち着かないあたしを余所に、虹ちゃんは笑顔を見せた。


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