雨に恋した華
「もうっ!!せっかくイイ所だったのに……」


「何が?」


あたしが拗ねながら言うと、ママが不思議そうに小首を傾げた。


「あのねぇ〜……」


「何でもないよ」


さっきの事を話そうとした時、パパがそれを制すように口を挟んだ。


「何の話?」


ママは、少しだけ怪訝な顔をしていたけど…


「本当に何でもないよ。じゃあ、行ってきます」


仕事に行くパパを見送る為に、玄関に向かったパパの後に付いて行ってしまった。


< 35 / 461 >

この作品をシェア

pagetop