雨に恋した華

「買い物なら、あいつに付き合って貰えば？健一君だっけ？」


虹ちゃんの言葉に、息が止まりそうになった。


「え……？」


あたしは目を見開いて、小さな声を漏らした。


「別に、そんなに驚く事じゃないだろ？キスしてた仲なんだし」


虹ちゃんに冷たく言い放たれて、背筋が凍る。


いつもの笑顔だけど、いつもの笑顔とは全く違う。


温もりや優しさが微塵も無い、表面上だけの作り笑い。


笑う口元とは裏腹に、虹ちゃんの瞳はすごく冷たかった。