雨に恋した華
「違っ……!」


「違わねぇだろっっ!!!」


否定しようとしたあたしの言葉を、虹ちゃんの怒鳴り声が遮った。


こんなにも恐い表情をした彼を、今までに一度も見た事が無くて…


あたしは、一瞬で強張った体を動かす事すら出来なくなった。


「何でキスとかしてんだよっ!?わざわざ俺を学校に呼んでまで、見せ付けたかったのかっ!?」


声を荒げる虹ちゃんは、あたしが知っている彼とはまるで別人だとしか思えなくて、恐怖心に苛(サイナ)まれてしまった。


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