雨に恋した華
「虹ちゃん……」


やっとの事で、あたしは震える声を絞り出した。


だけど…


「もうイイよ」


そう呟いた虹ちゃんは、嘲笑うような表情を見せた。


「俺、浮気するような女に興味ないから」


その言葉を聞いた時、全身がビクリと強張った。


膝がガクガクと奮え、息が上手く出来ない。


「俺ら、終わりな」


あたしにとっては死刑宣告同然の言葉に、ショックを隠し切れなくて…


歩き出した虹ちゃんの後を、追う事が出来なかった。


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