雨に恋した華
……何よ?


あたしは視線でそう訴えながら、眉を小さく寄せた。


だけど…


健一はフイッと視線を逸らして、窓の外を眺め始めた。


何よ、あれ……


何となく健一の態度がふてぶてしく思えて、少しだけ苛立ったけど…


その気持ちを押し込めながら小さなため息を零して、数学の方程式が書き並べられている黒板にゆっくりと視線を戻した。


雨、降らないかな……


そして、いつも通り雨が降る事を願いながら午前中を過ごし、昼休みを迎えた。


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