雨に恋した華
「ねぇ、訊いてもイイ?」


放課後、学校の近くにある公園のベンチに腰掛けて千晶と他愛のない話をしていると、不意に彼女が神妙な表情をした。


「何?」


「虹希さんと別れたの?」


小さな笑みを向けたあたしに、千晶は間髪を入れずに尋ねて来た。


いつかは訊かれるとは思っていたけど、いざとなると身構えてしまう。


「うん……」


「そっか……。最近、虹希さんの事話さないから、そうじゃないかと思ってたんだ……」


千晶は、悲しげに小さく言った。


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