雨に恋した華
あたしは、詳しい事は何も言わずに無言で頷いた。


「……虹希さんが怒って、別れる事になったの?」


「何か……健一との事、誤解したみたい……。言い訳もさせて貰えなかった……」


「それでイイの?」


「仕方ないよ……。電話にも出てくれないし、どうしようもないじゃん……」


「電話に出て貰えないなら、会いに行けばイイじゃない……。どうしようもないなんて言う前に、自分から会いに行きなよ!」


千晶はそう言った後、あたしの瞳を真っ直ぐ見つめた。


< 403 / 461 >

この作品をシェア

pagetop