雨に恋した華
「そう?」


「うん」


小首を傾げると、千晶が笑顔で頷いた。


あたし達が他愛のない話をしながら、お弁当を食べ終えた頃…


不意に、千晶の机の上にミルクティーの缶が二本置かれた。


あたしと彼女が同時に顔を上げると、健一が立っていた。


「何?」


「昨日の約束」


千晶が訊くと、健一はぶっきらぼうに答えた。


「ねぇ、何で二本あるの?」


あたしが小首を傾げながら訊くと、彼が無愛想な表情のまま口を開いた。


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