雨に恋した華
「お前の気持ちが俺に向いてない事は、ずっと前からちゃんとわかってたし……。本当はあんな事するつもりじゃなかったんだ……」


健一は話しながら、バツの悪そうな顔をしていた。


「あの時に言った事は本心だし、俺なりの告白だったけど……」


呟くように言った彼が、眉をグッとしかめながら笑った。


「あの時の事はもう忘れろよ」


「え……?」


「勝手な事ばっかり言って悪いけど、俺は本当にお前の事を困らせるつもりはなかったんだ……。本当に悪かった……」


< 431 / 461 >

この作品をシェア

pagetop