雨に恋した華
慣れない手付きで、必死に材料を切っていく。


こんな事なら普段から料理をしておけば良かったと、少しだけ後悔する。


だけど…


合鍵で彼氏の部屋に入ったり、彼氏の帰りを待ちながら料理している事に、くすぐったさと嬉しさを感じてしまう。


何か、新婚さんみたい♪


何度もそんな事を考えては頬が緩んで、満面の笑みが零れる。


四苦八苦しながらも、何とか全ての料理が出来上がった頃…


「ただいま」


バイトを終えた虹ちゃんが帰って来た。


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