雨に恋した華
「ねぇ、虹ちゃん」


「ん?どうした?」


「本当にどこにも行かなくて良かったの?せっかくの誕生日なのに、家でデートなんて……。それにあたし、プレゼントも用意出来なかったし……」


困惑しながら虹ちゃんを見ると、彼がクスッと笑った。


「俺は紫がいてくれるなら、別にデートの場所なんてどこでもイイんだよ。それに紫が一番好きなのは、“お家デート”なんだろ?だったら、俺もここがイイ。それに……」


虹ちゃんはそこまで話した後、あたしをギュッと抱き締めた。


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