雨に恋した華
「俺にとっての一番のプレゼントは、紫が傍にいてくれる事だよ。だから他のプレゼントなんていらないんだ」


優しく囁いた虹ちゃんは、あたしを抱き締めている腕に更に力を込めた。


「あたしも……」


小さく呟いたあたしは、顔を上げてから彼に笑みを向けた。


「虹ちゃんがいてくれたら、他に何もいらないよ」


「お前、そんな顔するなよ……。帰したくなくなるだろ……」


虹ちゃんは一瞬だけ目を見開いたかと思うと、少しだけ照れ臭そうにしながら困ったように笑った。


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