雨に恋した華
重なり合う唇が、触れる指が、絡む吐息が…。


苦しいくらいに熱くて、あたし達の体温はあっという間に上昇した。


いつの間にか虹ちゃんに脱がされてしまったスウェットが、ベッドの周りに散乱している。


裸のまま視線を絡めるのはすごく恥ずかしくて、まともに彼の瞳を見る事が出来なかった。


「紫、こっち向いて……」


少しだけ苦しげに言った虹ちゃんが、あたしの頬に触れた。


「力、抜いて……」


戸惑いながらもゆっくりと視線を向けると、彼が耳元で囁いた。


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