雨に恋した華
翌朝。


目を覚ましたあたしは、虹ちゃんの腕の中にいた。


隣で眠る虹ちゃんの頬にそっと口付けた瞬間、瞼を開けた彼があたしに笑顔を向けた。


「おはよ」


「お、はよ……」


笑顔で言った虹ちゃんに、ドキドキしながら小さく返した。


彼みたいに笑顔を見せられる程の余裕なんて、あたしには無い。


昨夜の事を思い出すと、恥ずかしくて堪らなかった。


「体、大丈夫?」


虹ちゃんに訊かれた時、頬が熱くなるのを感じながら頷いた。


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