雨に恋した華
「いらっしゃいませ」


店内に入るのと同時に、女性店員が優しい笑顔で近付いて来た。


「何名様ですか?」


「えっと……一人です……」


しどろもどろ答えたあたしの声は、明らかに小さかった。


この店に来るようになるまでは、コンビニ以外の店に一人で入る事が無かった。


だから、一人でこの店に入るのは、未だにすごく緊張してしまう。


「こちらへどうぞ」


軽く店内を見渡した店員は、あたしを空いているテーブルへと案内した。


< 53 / 461 >

この作品をシェア

pagetop