雨に恋した華
彼に再会出来た日は、朝早くから強い雨が降っていた。


その日は学校が休みだったから、昼食を済ませてからすぐに家を出て、カフェに向かった。


あの時のあたしは、惜しみ無く降り注ぐ雨のせいで、憂鬱な気持ちを抱いていたけど…


カフェに着いた直後、そんな気持ちは一気に吹き飛んだ。


だって、彼がいたから…。


奥のテーブルにいるのがあの時の彼だと気付いた時、あたしの胸の奥がキュンと鳴いた。


その瞬間…


あたしは、恋に落ちたんだ。


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