雨に恋した華
目玉焼きの香ばしい匂いが、リビングに漂う。


ママから目玉焼きの入ったお皿を受け取って、テーブルに着いた。


ママもエプロンを外してから、あたしの向かい側に座った。


「学校、楽しい?」


高校に入学して、2ヶ月…。


毎朝必ずと言ってもいい程、ママはそう訊いて来る。


「まぁまぁ……かな?」


疑問形で答えたあたしを見たママが、クスッと笑った。


「そっか」


あたしはそんなママを上目遣いで見ながら、食パンをかじった。


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