雨に恋した華
トイレは店の一番奥にあって、死角になっているから人目に付き難い。


トイレから少し離れた所で足を止めて、壁にもたれながら彼が出て来るのを待っていた。


何から言えばいいのか、何から訊けばいいのか…。


さっきからそればかり考えているけど、答えは一向に出ない。


変な表現だけど、丸裸で体当たりでもするような気分だった。


ドキドキしながら待っていると、奥のドアから彼が出て来た。


来たっ……!


あたしは大きく深呼吸をした後、思い切って口を開いた。


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