雨に恋した華
朝食の後、身支度を整えたあたしは、ソファーに身を沈めてテレビにかじりついていた。


毎朝、決まったバラエティー番組の芸能ニュースを観た後は、天気予報を確認する。


あたしにとっては、最先端の芸能ニュースやどんなに素敵な事を言ってくれる星占いなんかよりも、天気予報の方がずっとずっと大切だから…。


「紫(ユカリ)、そろそろ出ないと遅刻するよ〜!」


「わかってる!天気予報観たら出るから!」


後ろから言ったママに、テレビに視線を遣ったまま返した。


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