雨に恋した華
「あっ、ごめん……。気にしてる事だった……?」


彼に言われて、慌てて顔を上げる。


「いえ、大丈夫です……。よく言われるし、もう慣れてますから……」


彼に気を遣わせたくなくて笑顔を繕ってみたけど、悲しい気持ちは変わらない。


「本当にごめん。お詫びに、今度何か奢るよ」


「え……?そんなっ……!イイですから……」


あたしが首を横に振ると、彼は笑顔で口を開いた。


「お詫びだし、遠慮しないで。紫ちゃん、よくここに来てるよね?」


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