雨に恋した華
「あっ、ごめんなさい……」


あたしが謝ると、彼は不思議そうな顔をした。


「違った?」


「あっ、いえっ……!あたし、よくここに来てます!」


彼に確認されて、あたしは慌てて答えた。


「やっぱり……。紫ちゃん、いつも一人で来てたから不思議だったんだ」


「え……?」


「紫ちゃんくらいの子なら、普通は友達と一緒に来るだろ?でも、いつも一人で来てるから、変わった子だなって思ってたんだ」


彼は小さく笑って、そんな風に話した。


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