【詩音×愛祐実】パパとママの秘密の夜
想と反対に立って
足元であたしの服をしっかり握っていた
花の姿が何処にもなくて。
まさか誘拐!?
そう考えたら一気に頭が真っ白になる。
どうしよう
あたしの
あたしのせいだ・・
あたしがちゃんと見てなかったから
「どうしよう、あたし・・」
花に何かあったらどうしよう・・
そう思ったら体中がどんどん冷たくなっていく。
震えが止まらない。
あたし
あたし。
「想」
「とにかく捜すぞ」
「でも」
「俺達は親だろ?俺達がしっかりしないでどうすんだよ」
そう・・だよね
想の言葉で一気に冷静さを取り戻す。
想はいつだってあたしに正しい言葉をくれる。
こんな時こそ親のあたしがしっかりしなくちゃ。
しっかりしなくちゃいけないんだ。
「ほら行くぞ」
「うん!」
差し出された手をしっかり握って会場内を捜し始めた。