【詩音×愛祐実】パパとママの秘密の夜
「お待たせ」
ほんの数分でどれだけ仲良くなったのか知らないけど。
想が何故かニヤニヤしながら戻って来た。
「どうかしたの?」
「別に」
別に・・と答えたわりには結構楽しそうな顔をしてる。
何があったのかな?
不思議に思っていると
「社長、そろそろ会長の所に向かう時間ですが」
秘書さんが時計を確認しながら言っている。
でも
「……ダメだ…オレ負けてる…よりにもよって…10歳も年下に……」
何かブツブツ言ってる社長さん。
不思議に思ったあたしは想の顔を見る。
・・何か知ってるの?
首を傾げたあたしに想はさぁっと笑うだけ。
「あの───…」
秘書さんが口を開いた時だった
「ダメだっ!やっぱりこのままじゃ───!!」
いきなり何かを決心したかと思うと
「あの、社長」
秘書さんの声も聞かずに
「行くぞ、光姫」
みつきさんと呼ばれた人の腕を掴んで引っ張ると
社長さんの胸の中にすっぽり入ってしまった。
「俺が高校生に負けてたまるかっ!!」
横を見るとぷっと必死に笑いをこらえてる想。
・・ここまで笑った想って・・
「ちょ、離して!皆見てるから」
何とか逃げようとしているみつきさんに
社長さんは離すどころか寧ろ力強くみつきさんを抱いている。