【詩音×愛祐実】パパとママの秘密の夜
「んもうっ、いい加減にしてよ!!」
この場できっと状況を理解できないのはきっと
あたしとみつきさんだけだと思う。
だって想だけ今にも笑い声を上げそうな顔して
二人を見てるんだもの。
「光姫、今すぐ家に帰るぞ!!」
社長さんは何を思いついたのか
みつきさんにそんな事を提案した。
「は?家に?何でよ?!」
真剣な顔で聞くみつきさんに
「決まってんだろ!!オレたちは負けてんだよ」
全く意味不明な事を言い出す社長さん。
「だから、何を?!」
何か・・ちょっとやばくなってきてない?
想はちっとも役に立たないし。
とにかく何とかしなくちゃ。
「あ…あの……」
あたしが口を開いた時
「子供作るぞ、今すぐ」
これまた大真面目な顔で答える社長さん。
・・・子作りって・・
「オレが本気になれば子供なんてすぐできんだよ!!…くそっ、高校生に負けてたまるかってんだ!!オレのが経験豊富だからテクニックは断然上に決まってる!!」
て、てくにっく?
テクニックって・・
失礼、そう言ってみつきさんの腕を今度は引っ張ると
パーティー会場を出て行ってしまった。
あの社長さん、今子作りって言ったよね?
まさか想!!
想を思いっきり睨むと、ようやく笑いが治まったのか
「な、あの二人、両想いだったろ?」
ニヤニヤしながらあたしの頭をポンポンしてきた。
まぁ、確かに当たったけどさ
「想、何言ったの?」
あたしの質問に
「ヒミツ♪」
悪戯っぽい笑顔でそれしか答えてくれない。
でも
「みつきさん、大丈夫かな?」