恋する苺みるく【短編集】
「でも私は気持ちがわかんないから、」
「うん」
「怖くて怖くて」
「うん」
「前に進む勇気がなくて」
「うん」
「でも何かしなきゃ始まらないし」
「うん」
「そんなのわかってるけど、」
「うん」
「どうしたらいいのかわからないの」
「うん」
「こんな自分が今は‥‥‥すごく嫌い」
そう、どうして流れるかわからない涙に気づかれぬように
私は再び顔を伏せた。
頭に手が触れる。
聞こえたのは友人の声だった。
「恋してるねえ」
恋するライオン。
恋すればライオンだって臆病になるのです。