僕はその手をそっと握ることしかできなかった
誰も気付くこともしなかった
それから空撫さんは何も無かったかのように学校生活を送っている。
けれど、ボーっとしている時も多く、何かおかしい。
「空撫さん、大丈夫ですか?」
「えっ、何が?」
堪りかねて声をかけた。
「お弁当、全然食べてないじゃないですか」
空撫さんは好き嫌いが多いらしく、昼くらいは自分の好きなものだけを食べたいからと自分でお弁当を作ってきていた。
好きなものだけを詰めている弁当も全く減っていない。
「んーどれから食べようか迷ってただけだよ」
と空撫さんはいうけど、弁当を開けて十五分も悩む人なんていない。
「良かったらこれ食べてください」
たまたま持っていたグレープのキャンディを机の上に置いた。
「ありがと」
そこで、ようやく空撫さんは卵焼きを食べた。
けれど、その日の放課後、空撫さんは倒れてしまった。
後輩への指導中に、突然。
けれど、ボーっとしている時も多く、何かおかしい。
「空撫さん、大丈夫ですか?」
「えっ、何が?」
堪りかねて声をかけた。
「お弁当、全然食べてないじゃないですか」
空撫さんは好き嫌いが多いらしく、昼くらいは自分の好きなものだけを食べたいからと自分でお弁当を作ってきていた。
好きなものだけを詰めている弁当も全く減っていない。
「んーどれから食べようか迷ってただけだよ」
と空撫さんはいうけど、弁当を開けて十五分も悩む人なんていない。
「良かったらこれ食べてください」
たまたま持っていたグレープのキャンディを机の上に置いた。
「ありがと」
そこで、ようやく空撫さんは卵焼きを食べた。
けれど、その日の放課後、空撫さんは倒れてしまった。
後輩への指導中に、突然。