僕はその手をそっと握ることしかできなかった
と申し出ていた。
「ありがとう椎名君。翔真くん、保健室で待っててね」
ボクは、美朝さんと一緒に、部室棟に向かった。
「美朝さん、空撫さんの制服は女子剣道部のロッカーにあるので」
「そうよね。空撫ちゃんは女の子だものね。小さい時は水着に着替える時も一緒だったから、今も同じなのか持って思い違いしちゃった。
美朝さんは自嘲する様に笑って、女子の部室に入って行った。
いつも一緒にいても気付かないことはあるんだ。
けれどそれはとても残酷なんだと思った。
着替え、沢田副部長の荷物を持って部室を出ると、美朝さんはオロオロしながら、ボクを待っていた。
「どうしました?」
「あの、空撫ちゃんのバックがないの。制服しかなくて」
「空撫さんはバックを教室においているかもしれませんよ」
「そうよね。教室よね。私ってどうして、一辺通りの考えか確か出来ないのかしら。カナちゃんにも翔真くんにもよく笑われるのよ」
そう笑う美朝さんは慎ましやかで可愛らしかった。
空撫さんも美朝は天然で可愛いと言っていたことを思い出した。
「ちょっと教室に行って来ますね。椎名くんは先に保健室に戻っててください」
「はい」
ボクは一人で保健室に戻った。
「ありがとう椎名君。翔真くん、保健室で待っててね」
ボクは、美朝さんと一緒に、部室棟に向かった。
「美朝さん、空撫さんの制服は女子剣道部のロッカーにあるので」
「そうよね。空撫ちゃんは女の子だものね。小さい時は水着に着替える時も一緒だったから、今も同じなのか持って思い違いしちゃった。
美朝さんは自嘲する様に笑って、女子の部室に入って行った。
いつも一緒にいても気付かないことはあるんだ。
けれどそれはとても残酷なんだと思った。
着替え、沢田副部長の荷物を持って部室を出ると、美朝さんはオロオロしながら、ボクを待っていた。
「どうしました?」
「あの、空撫ちゃんのバックがないの。制服しかなくて」
「空撫さんはバックを教室においているかもしれませんよ」
「そうよね。教室よね。私ってどうして、一辺通りの考えか確か出来ないのかしら。カナちゃんにも翔真くんにもよく笑われるのよ」
そう笑う美朝さんは慎ましやかで可愛らしかった。
空撫さんも美朝は天然で可愛いと言っていたことを思い出した。
「ちょっと教室に行って来ますね。椎名くんは先に保健室に戻っててください」
「はい」
ボクは一人で保健室に戻った。