僕はその手をそっと握ることしかできなかった
あなたの幸せを願っています
翌日。
空撫さんはいつも通り朝練に出ていた。
迷いのない剣筋は他を圧倒していた。
副部長、相手でもそれあ変わらない。
いや、今日はいつも以上に激しく思えた。
ドンという鈍い音が聞こえた。
全員の目が音のするほうに向く。
副部長が通常では有り得ない場所で倒れていた。
対する、空撫さんは試合開始の位置から全く動いてはいない。
「空撫、お前何を・・・」
「ただの突きじゃない。ただの」
淡々とした声が、道場に響いた。
朝練の終わり、部長が空撫さんを呼んだ。
全員の前で部長が口を開いた。
「空撫が、本日を持って、剣道部を去ることになった。残念なことだが、空撫の未来を快く送り出してやろうじゃないか」
「みんな、今までありがとう」
誰もが言葉を発せないでいた。
でも部長が、拍手を空撫さんに贈ると、みんなそれに倣って拍手をした。
沢田副部長だけはずっと、空撫さんを睨んでいた。
空撫さんはいつも通り朝練に出ていた。
迷いのない剣筋は他を圧倒していた。
副部長、相手でもそれあ変わらない。
いや、今日はいつも以上に激しく思えた。
ドンという鈍い音が聞こえた。
全員の目が音のするほうに向く。
副部長が通常では有り得ない場所で倒れていた。
対する、空撫さんは試合開始の位置から全く動いてはいない。
「空撫、お前何を・・・」
「ただの突きじゃない。ただの」
淡々とした声が、道場に響いた。
朝練の終わり、部長が空撫さんを呼んだ。
全員の前で部長が口を開いた。
「空撫が、本日を持って、剣道部を去ることになった。残念なことだが、空撫の未来を快く送り出してやろうじゃないか」
「みんな、今までありがとう」
誰もが言葉を発せないでいた。
でも部長が、拍手を空撫さんに贈ると、みんなそれに倣って拍手をした。
沢田副部長だけはずっと、空撫さんを睨んでいた。