僕はその手をそっと握ることしかできなかった
白い肌と、バランスのとれた身体はモデルのよう。

誰もが憧れる存在、それが空撫さんだ。

全てを持っていると誰もに思われている空撫さんが本当に欲しいものが手に入らないことを知っているのは多分ボクだけだ。


「今日、少し残れ。もうひと勝負だ」

「良いよ」


あぁ。

今の貴女の顔はとても幸せそうなのに、その顔がすぐに消えてしまうんだ。
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