僕はその手をそっと握ることしかできなかった
幼なじみの二人は、空撫さんの想いに気づくことも知ろうともしていない。

ボクはこれ以上空撫さんの哀しい顔を見たくなくて、彼女の元へ向かった。


「ボクと試合してもらえますか?」

「うん。良いよ」

すぐに笑顔に戻って、面をつけてボクと対峙してくれた。


「手加減しないよ」


本当は空撫さんとは試合したくない。

怖いから。
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