突然の出会い
1.おもいで
――これは、結婚してからだいぶ経ったある日の茜とセツナのお話――


「ねぇ、セツナいつセツナと出会ったのかそろそろ教えてよ」


「……そうだね。いい加減話さないと茜口聞いてくれなくなりそう」

僕がそう言うと茜は


「まぁ、最終手段としてとっておくね♪」


茜はよっぽど僕と茜がどうやって出会ったのか気になるみたいだ。


「茜はどうしてそんなに知りたいの?」


少し恥ずかしそうにしながら


「…だって私は覚えてないからすっごく気になるんだもん」


そう言うとさらに


「それに、大好きな人とどうやって知り合ったのたか知りたいよ」


茜にこんなこと言われると本当に嬉しくてたまらないな。


「ねぇ、……ダメ?」


ここまでされたらもう僕には断る術はない。


「そうだね。…やっぱり夫婦間で秘密ごとはよくないよね」


僕がそう言うと茜は嬉しそうに


「じゃあ、話してくれるの!」


あ~もう、かわいいなぁ


「うんっ、話すよ」


茜はさらに嬉しそうな顔になった。


「でも、聞いても引かないでね……」


「大丈夫だよ。私がセツナを嫌いになるなんてありえないよ」


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